採用・転職は「過去」ではなく「未来」を見るマッチングを

私たちは、「キャリアナビゲーション」という考え方を大切にしています。

たとえば多くの転職支援では、これまでの経験をもとに「何をやってきたか」が重視されます。
その延長線上で次の転職先を選ぶ──それ自体が悪いとは思いません。
ただ、それだけでは、人の可能性が十分に引き出されていないのではないかと感じています。

私たちの考えるキャリア支援は、もっと未来に向かっているものです。

「それを実現するために、どんなスキルを使ってきたのか?」
「どうやって成し遂げたのか?」

こうした問いかけによって、目に見えにくかった力や強みが浮かび上がってきます。

業種や職種が違っても、実は共通して使えるスキルがたくさんあります。
そして、それらのスキルは組み合わせ次第で新たな力にもなります。
人が持つ“応用力”を引き出すこと──それこそが、私たちが目指す支援のあり方です。

技術にたとえるなら、応用とは難しさではありません。
スキルや技術を「使いこなす」こと。
そして、それまで積み重ねてきた土台の上にこそ生まれるものです。

土台がしっかりしていれば、その上にさまざまな要素を積み重ねることができます。
その積み重ねた先にあるのが“応用”であり、“可能性”なのです。

つまり「どんなスキルを使ったのか?」という問いは、
成し遂げてきたことの背景を探る行為でもあります。

そこには「読み取る力」が必要です。
そして、その“読み取り”を支えるのが、私たちの「キャリアコンパス」という仕組みです。

キャリアコンパスは、スキルを要素ごとに分解し、
意味のあるつながりとして可視化した“地図”です。

「現在地を知る」「行きたい場所を定める」「その道筋を知る」──
そのすべてにおいて、キャリアコンパスはナビゲーションツールとして機能します。

私はこの考え方で、実際に年間400人以上の方とキャリア相談を行ってきました。

こんなふうに考えてみてください:
・「何をしたか」ではなく「どうやったか」に注目する
・経験ベースではなく、スキルベースでマッチングする
・過去よりも、未来につながるスキルを大切にする

この視点は、転職支援だけにとどまりません。
研修、キャリア面談、配属、人材育成の仕組みづくり──
どの場面でも、人と企業の可能性を広げていく力になります。

冷蔵庫の食材にたとえて
たとえば、冷蔵庫にある同じ食材でも、
組み合わせや調理法によってまったく違う料理ができますよね。

キャリアやスキルも、それとよく似ています。
同じ経験をしていても、培ったスキルは人それぞれ。
そして、人や企業には、無限の可能性があるのです。

私たちは、こうした考え方を研修の形にもしています。
下の図は、その一部をご紹介したものです。